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「まぁいい。いずれ戻るならよしとしようか。」
涼は開き直って口を開く。
「とりあえず俺が"何故か『低級精霊の召喚』で魔界最高格の魔女を召喚しちゃった"訳だが、ひとまず。自己紹介といこう。俺の名前は凪月 涼。凪ぐに月に涼しいでなぎつき りょうだ。そっちの名前は?まさか本当にないとは言わないだろうな?」
魔女はそれに当たり前のように口を開く。
「だからないものはない。強いて言うなら『赤の魔女』が名前だ。」
「そんな訳ないだろ?」
涼の反論に冷静に答える魔女。
「じゃあ聞こう。スライム一匹一匹に名前があるのか?」
「・・・・・。魔界に名前の概念は無いって事か。けど、そうなると生活は困らないのか?」
その問いに魔女は少し寂しそうに笑いながら答える。
「私はずっと一人だった。もし他の者に出会ったなら、それは全部敵だ。」
涼は気まずくなってそれには答えなかった。
「・・・よし。名前を着けよう。今。」
その提案に心なしか嬉しそうに聞く魔女。
「ほう。どんな名を着ける気だ?」
・・・・・・。
涼はそれに答えずテレビの前に行ってスイッチを入れる。
すると灰色の服を着た歌手が歌っている画面が出る。
「レイー♪ラー♪夢を追うのは
テレビの電源を切る。
涼が魔女の問いに答える。
「レイラだ。うん。これからお前はレイラだ。おっけ?」
魔女はそれに複雑そうに、
「今お前テレビに流れ「いい名前だろう?うん。うん。俺も必死にお前のために、いや、レイラの為に考えた甲斐があったってもんだ。」
涼が割って入って封殺。
「・・・・・・レイラか。うん。まぁ、私の名として悪くは無い。いいだろう。これからはレイラだ。」
魔女。改め、レイラは納得したようだ。
涼はまたレイラの近くに戻ると、手を出して言う。
「まっ。これからよろしく頼むな、レイラ。」
それにレイラがゆっくりと強く手を握り返す。
「あぁ。涼。お前が死ぬぐらいまではこっちに居てやろう。」
「うぇっ!?」
涼は予期せぬ言葉に変な声を上げてしまった。
+①へ続く