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――――ジリリリリリリ。
よく晴れた空にちぎれた綿雲。寝るには絶好の朝を邪魔する目覚し時計の音。
土日はいろいろあったが何をしようと時は流れ、月曜日。学生はどれだけ抵抗しようとも泣く泣く登校しなければならない。
そんな中一人の少年が抵抗を試みていた。
「うぅっ。後、後5分。」
目覚ましに手をかけようとしたところで――他の手がそれを弾き落とす。
弾き落とした少女が答える。
「朝だ。"学校"だろう?」
布団からもぞもぞと顔を出しレイラを見る。
レイラは涼が入っていた布団の前に正坐して涼が起きるのを待っていた。
その目は子供のようにきらきらと輝かせていた。それに一言。
「・・・・・そんな目で俺を見ないでくれ・・・・。」
特別悪いことをしたけでもない涼は何故か罪悪感を感じずには入れないほどに。
―――キーンコーンカーン。
5分前のチャイムと同時にギリギリで涼は教室に入る。
一応まだ担任が来ていないのを確認してほっと胸をなでおろす。
いつもの窓際の後ろから2番目。自分の席に着く。
「やぁ。朝からいい運動してるなぁ。涼は。」
後ろから声がかかる。
振り返って声の主を確認する。
蒼島 凛。身長は平均より結構高い俺よりも高く、髪は長く後ろで結ってあり、その中性的な顔立ちで女かと間違えそうになる。(実際最初会った時は分からなかった)めがねをかけており知的なイメージもあり、男女とも人気がありそうだが如何せんこいつは問題がありすぎた。
「あぁ。土日はごたごたしててさ。」
「ふむ。そういえば制服は彼女・・・・"魔女"にあったかい?」
「あぁ。ばっちりだった。・・・・・にしてもよくアイツをこの学校に入学させられたな。」
涼の誰でも疑問に思いそうな質問。それに凛はそれこそそれだけで女を落とせそうな笑みを浮かべて答える。
「ふふふ。色々あってね。」
そう。この男、何と言うか裏の人間って奴なのだ。
「まあいいさ。さすがにあんな目でお願いされたら、なぁ。」
「やれやれ。将来女に尻を引かれるぞ?」
ごもっともです。
「第一、いいのかい?"しづる"君が黙ってなさそうだがね。」
「・・・・・・・ソウダッタネ。ちなみにしづるは?」
「さっきトイレに行ったからもう帰ってくるだろう。ふふ。楽しみだなぁ。しづる君の反応。」
「いい趣味してるな・・・・。」
性格最悪男に反論しつつ"しづる"にどうされるかで頭がいっぱいだった。
涼が修羅場を迎えるまで後もう少し―――。
②へ続く