[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
夢だ。そう、悪夢を見ていた気がする。
俺が魔女を召喚するなんて。第一、あんな低級召喚術で魔女を召喚だなんて聞いたこと無い。
そうだ。やっぱり夢だったんだ。きっと目を開ければそこには清々しい朝が。
何者かにがっちり拘束されているのを認めようとせず目を見開いた。
・・・・。
見開いたそこには昨日、魔界から召喚した少女がまたこれ以上ないくらいに密着していた。
というか涼は幸せそうに眠る少女の抱き枕のようにされていた。
しかしだ。起きて気づいたが俺の手が完全に治っているのはどういうことだ?やはり。こいつか?
そうなのだ。涼が手に負ったはずの傷はあたかも最初からなかったように綺麗に修復されていた。
それに手の傷もそうだが体の調子が異常というほどいい。俺にこの魔女は何をしたんだ?
よくこの魔女を観察しようと少し目線を下にやる。
黒髪の魔女はすやすやと幸せそうに一切の警戒をしないで眠っていた。
それは本当に普通の可愛い女の子のようで。魔女かどうかも疑ってしまいそうになる。
ふっ。ここまで俺に警戒しないとは・・・。襲うぞ?
と。不謹慎な事を考えた瞬間それを察知したかのように少女は動き出す。
「んっ・・・・。あさかぁ?」
眠たそうに目を開ける。
涼は自分の心を読まれたのではないかと内心焦りまくっていた。
自分が抱きついている涼に気付いて不審そうに声をかける。
「おまえ、だれだ?」
さっきの焦りも忘れて即答。
「おまえがだれだよ!」
それに呆れたように少女は答える。
「私か?私は”赤の魔女”とも呼ばれるほどの魔女だ。」
少年も呆れたように答える。
「・・・ほぉ。そんなすごい魔女さんのお名前は?」
少女はきっぱりと答える。
「お前がつけろ。」
少年はもはや何も言い返せず、
「・・・そうか・・・。」
としか言えなかった。
とりあえず話合う前にこの抱き枕状態をやめて欲しかった。
②へ続く